SSH 台湾海外研修で学んだこと
高校2学年SS(サイエンス探究)コースの25名が台湾への海外研修へ行ってきました。(2023/12/19-23)
科学技術の進歩と経済発展が著しい台湾で、優秀な人材を輩出している高等学校との交流や、大学や研究機関を見学することが主な研修内容です。
「国立清華大学 (NTHU) National Tsing Hua University」訪問
台湾のシリコンバレーと呼ばれている研究学園都市「新竹サイエンスパーク Hsinchu Science Park」に立地します。
台湾の工学系の人材育成を目的に1955年に設置された台湾の難関国立大学で、卒業生にノーベル物理学賞受賞者2人、化学賞受賞者1人を輩出しています。
ここでプレゼン発表を行い、大学の寮で寮泊しました。
建国高級中学(高級中学とは台湾では”高校”)交流
台北市立建国高級中学(Taipei Municipal Jianguo Senior High School)は、男子校で、1898年創立の台湾最古の公立高校です。これまで生徒たちは、オンラインでの交流を重ねてきました。訪問により初めて対面で交流し、同じ年の生徒たちから多くの刺激を得ました。
交流内容
・セレモニー、学校紹介、校内見学
・授業体験、プレゼン発表
・昼食(ランチ交流)
・交流活動
その他、下記の施設を訪問しました。
NSRRC (National synchrotron radiation Center of Taiwan)訪問
放射光を生み出すことができる大型放射光研究施設を見学しました。
放射光とは電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する電磁波(X線など)です。放射光を用いたナノテクノロジー、バイオテクノロジーの研究や産業利用に向けた幅広い研究が世界中で行われています。
関渡自然公園(Guandu Nature Park)
台北市野鳥学会が運営している関渡自然公園を訪問しました。
多くの野鳥が生息し、渡り鳥が訪れる湿地帯の公園で、観察、体験を通して台湾における環境に対する考え方、環境保護活動について学びました。
故宮博物院(National Palace Museum)
歴代中国皇帝のコレクション、毛公鼎(モウコウテイ)、雕橄欖核舟(カンランカクフネ)、彫象牙透花雲龍紋套球(チョウゾウゲトウカウンリュウモントウキュウ)などを鑑賞しました。
参加した生徒の感想
「建国中の学生と交流して、英語力の高さや文化の違いに驚かされ、今まで当たり前だと過ごしていた自分の世界が狭かったと気づかされた。また、台湾や日本の文化をお互いに紹介して楽しく話すことができ、日本の文化の良さにあらめて気づき、自分の好きな日本をもっと知ってほしいと思った。今回学んだことをこれからに生かしていくことが大切なので、様々な機会に積極的に参加して自分を高めていきたい。」
「1番記憶にしっかりと残ったのは高級中学の生徒の皆と英語でずっとコミュニケーションをとったことです。そこで私は自分自身、日本人の英語力の低さを痛感しました。話す、聞くのが怖いと感じる日本人と違って、台湾の皆さんは自分から進んで、英語を使い、コミュニケーションをしていました。そこが日本と台湾の大きな違いに思え、これからも英語力を高めなくてはならないと実感しました。」
「今回の研修を通し、英語を学ぶ重要性をとても強く実感しました。10月より、私たちとほぼ同い年である建国高級中学の生徒たちと英語を用い交流してきましたが、最初は建国中の生徒の英語力に圧倒されるばかりでした。自分の言いたいことをうまく伝えられないもどかしさを非常に感じ、もっともっと英語を上達させようと決心しました。相手が一生懸命私たちに話しかけてくれているのに、うまく聞き取れないことに申し訳なさを感じました。コミュニケーションは勢いが重要と思っていましたが、勢いだけでは不十分だと認識を改めました。誠実なコミュニケーションには相手の言いたいことを正しく咀嚼することが一番重要だと考えます。もっと英語を勉強し、再び建国中の生徒さんたちに会いたいです。また、建国中は非常に自由な空間で、たくさんの生徒たちが充実した施設のもとで運動をしたり、読書をしたり、更に、中には個々のバンドに与えられた部室でギターやドラムの練習をしていたりしました。生徒全員がのびのびとそれぞれの個性を伸ばせる空間に衝撃を受けました。どの生徒さんも自分に芯があるという印象を受けました。同時に、自分の視野の狭さにも気づくことができました。本当に彼らを尊敬しています。自分ももっとスキルアップしたいです。この研修に参加することができ本当に良かったです。たくさんの刺激に溢れた四日間でした。またこのように海外の高校生と関われる機会があれば積極的に参加したいです。」
「今回の海外研修は自分にとって初めて海外の方と英語で交流する機会だったので、うまくいかなかったことも多く、改めて言語学習の大切さを感じた。今後グローバルな世界で活躍していくためには、今までのような英語の学習だけでなく、それを会話などに応用していけるようになりたい。また、実際に海外を訪れたことで日本との文化の違いを感じることもできた。台湾の良さを知ることができたと同時に日本と良さも再確認することができた。将来もっと多くの国を訪れてみたいと思う。今回高校生のうちに海外で研修できたことはとてもいい経験だったと思う。この経験を忘れずにこれからの生活に活かしていきたい。」