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【校長室より】自分だけの進路実現ストーリーを編んでいこう

「進路の手引き」学鳳の先生方や卒業生たちの思いがたくさん詰まってます

 会津学鳳にきてまもなく、進路指導部の先生に「令和6年度 進路の手引き」の巻頭言をお願いされました。先日ようやく冊子が完成し、生徒の皆さんの手元に近々届くと思います。(もう担任の先生から渡されたクラスもあるかもしれません)今回は、その手引きの巻頭言を記事にしてみました。
 学鳳生として進路を考えるうえで、この手引きはとても役立ちます。
 3年生にとっては、いよいよ進路について本格的に考える時期になりました。会津学鳳の先生方や卒業生たちのメッセージがたくさん詰まった「進路の手引き」。生徒の皆さん、ぜひ積極的に利用してください。


 皆さんは10年後の自分を想像したことがあるでしょうか?高校2年生で言えば27歳。多くの人が社会人として歩き始める時期です。10年後の自分をイメージして、すでにこんな進路に進みたいと思っている人もいれば、そうでない人もいるでしょう。いずれにせよ10年後に向かって時間は平等に進んでいきます。
 皆さんの人生は一度きり。自分でさえもどうなるかわからない。10年先がわからないにしても、会津学鳳高校を卒業するまでの1年間(2〜3年間)の中で、答えのないことに立ち向かっていかなければなりません。そんな時に私が大切だと考えることを、担任として生徒たちとともに過ごしてきた頃を振り返って、ここに綴りたいと思います。
 さて、個人やチームがある目標や計画を実現するために行う一連のプロセスを「マネジメント」と言います。日本語にすると管理とか経営と少し硬い表現になってしまいますが、マネジメントは、会社経営だけでなく、行政、プロ野球や箱根駅伝などのスポーツチームも目標実現のためにマネジメントをしているのです。
 皆さんが進路実現に向けてやろうとしていることもマネジメントの一種。でも決定的に違うのは、目標達成に向けて行動するのは、「自分自身」であるということ、つまりセルフ・マネジメントということです。もちろん、先生方や保護者の方々が皆さんをサポートしてくれることでしょう。また、学年集団の良い雰囲気も大切です。しかし、そのサポートや環境を受け身で享受しているだけでは、本当に自分の人生とは言えなくなってしまいます。
実際に、どのようなプロセスでセルフ・マネジメントしていくのでしょうか。
 1つ目は、情報収集。学校の図書館や各クラスにある受験関係の雑誌だけでなく、進路選択の参考になるウェブサイトがたくさんあります。もちろん、模擬試験の結果も自分自身の実力を確かめる重要な情報の一つです。情報源がたくさんありすぎて情報におぼれそうになったら、「自分は何に興味を持っているのか」「自分はどのように社会に貢献したいのか」と自分自身に問いかけてください。情報収集がよりシャープにできるようになると思います。
 2番目に、目標の設定。すでに目標が具体的になっている人はもちろんそれに向けて努力すればよいのですが、なかなか目標が定まらない人も結構いるものです。そんな時はスモールステップでもいいので仮の目標を設定して行動してみてください。そうやっているうちに本気になれる目標が見つかるはずです。
 3番目に、スケジュールの設定。多くの人が受験する共通テストを一つの大きなマイルストーン(節目)として、いつまでに何をやるのか、できるだけ具体的に考えてみてください。スケジュールは1年ごと、学期ごと、1ヶ月単位や1週間単位で設定すると動きやすいです。
 最後に、スケジュール管理。スケジュールがきちんと進んでいるか、進んでいないとしたら原因は何でしょうか?目標設定が高かったのか?それともモチベーションが上がらず勉強自体が進まなかったのか?振り返りの時間をつくって、自分の行動や目標を軌道修正してください。
 セルフ・マネジメントは、10年後、様々な職業で与えられた仕事を成し遂げるためのプロセスを自分自身で体現していくことにつながります。
 この進路の手引には、皆さんが進路実現に向けてスケジュールを立てるために必要な情報がたくさん掲載されています。また、卒業生の皆さんの受験体験記は、高校3年間で先輩たちが何を考えどのようにスケジュール管理してきたのかを追体験できる貴重なデータであり、それぞれの先輩たちの進路実現ストーリーです。
 高校進学までの選択肢は限られていましたが、高校卒業後の進路は生徒の数だけあります。
 次は、あなた自身が自分の進路実現ストーリーをつくり、それを実行していってください。

令和6年度進路の手引き 校長の巻頭言より