先輩たちの姿から自分たちの現在と未来を考える 冬休み直前の12月13日に、中学校全学年と高校1〜2年生を対象として、「先輩とのスーパートーク」 を実施しました。この行事は、次のような目的を持って開催されます。 ① 本校を卒業した先輩方をお招きし、現在の仕事や研究にまつわる話を聴くことで、将来へのイメージを形づくり、自分の進路実現の見通しを持つこと ② 先輩方の中学校や高校時代の話を聴くことで、日々の自分の生活を振り返る機会を持ち、夢を実現するために今後の学習の在り方や学校生活をもっと良くすること
今年度が始めての企画。さて、どのような職業の先輩がいらっしゃるのでしょうか?生徒の感想とともに2回にわたってご紹介します。
地元で医師になった宗像慧太さん。学鳳中の1期生ならではの苦労話もさらっと語ってくれました。
【生徒の感想】 ① 新しいことを学べたのでとても楽しかったです。宗像慧太さんが高校時代にどんな教科書を勉強していたのかを話したとき、私は驚きました。また、本当に医師になりたいなら、勉強を楽しんで続けるべきだとアドバイスしてくれました。また、勉強し努力することが重要なのはコミュニケーションと英語の勉強であることも分かりました。宗像慧太さんの経験のおかげで気分が良くなり、勇気づけられました。 ② 今回先輩のお話を聞いて、お医者さんは想像してもしきれないほどの努力や苦労を重ね続けてこうして私たちの健康を支えてくださっているのだなと尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになりました。先輩が過ごしてきた高校生活の内容や、実際に使用していた参考書、学生時代にこうしておけばよかったといった先輩の経験からの貴重なお話を具体的に聞くことができて、自分に取り入れれることは取り入れて、これからに存分に生かしていこうと思いました。
法律事務所で働く斎藤由佳さん。企業で起こる法的なトラブル解決に取り組んでいるそうです。
【生徒の感想】 ① 今まで弁護士の方のお話を聞いたことがなかったので、今回の機会に聞くことができてとても興味がわき面白かった。弁護士の仕事は中学生のころ社会の時間に習ったことがある以外で、身近ではなかったので新しく知ることばかりだった。また、興味のある分野を自分で選択し、それを仕事にすることができるというのを知らなかったので魅力に感じました。 ② 平日は毎日放送していた「虎に翼」がおもしろくて弁護士を選択してみた。ドラマに載っていた内容と被っているところがあって、興味を持って聞くことが出来た。勉強の方法を教えてもらった際に優先順位をつけて計画的にやるということがあったが、自分は手あたり次第片っ端から進めてしまうタイプなので、ちゃんと計画を立てて勉強をすることの大切さをとても実感した。その日のやることを書き出してから勉強をするようにしていきたい。
出版社に勤務されている星明里さん。私たちが本を手にするその過程にたくさんの創造的な仕事が詰まっていることが分かったようです。
【生徒の感想】 ① 出版社とはどういう仕事なのかがあまりわからなかったが今回の話を聞いて少し形が見えてきた。私は仕事=給料だと思っていたがその仕事の楽しさややりがいを見つけることも大事なんだなと思った。まだまだ知らないしごとはたくさんあるから自分に合う仕事を見つけていきたい。 ② お話を聞いてすごく充実しているな、かっこいいなと感じた。出版社では、人間性やオリジナリティ、エンタメに関する知識の深さや広さ、どんな人にもきらめきを感じてもらえるような頭の回転力が必要だということを聞くことができた。また、初めて「社交的なオタク」という言葉を聞いた。好きになったことをそれを知らない人に伝える能力を高めることができるようになると楽しいのだろうなと感じた。文字を読むことや、自分のペースで勉強することの必要性、大切さ等もきくことができてよかった。
大学院で睡眠の研究に取り組む荒井佳史さん。一つの研究の幅を広げるには様々な学びや体験が必要なんですね。
【生徒の感想】 ① ノンレム睡眠・レム睡眠について、違いや脳の働きなどを詳しくお話ししてもらった。中でも興味深かったのが研究のために十一日間眠らなかった人の話である。眠気が襲ってくるだけではなく、日が経つにつれ幻覚、視力低下や被害妄想など多くの恐ろしい症状が出てきたということにとても驚くと同時に、睡眠の大切さについても再確認することができた。色々期限に追われている時はよく睡眠を疎かにしてしまっているから、自分の健康のためにもっとよく考えてみるべきと思った。「つまらないと眠くなる」は神経学的に立証されていることはとても衝撃的だった。 ② 大学進学や留学、交換留学、研究など多様な経験をされた話がとても参考になりました。特に、睡眠に関する研究は興味深く、人体の不思議に魅了されました。理数系を目指していても、論文を書く国語・英語やグラフやイラストに関する美術、実験につながる家庭なども重要だということなので、すべての教科の授業を集中して受け、将来の夢に向かって勉強に励みたいと思います。
プログラマーの平井理子さん。わかりやすい語り口で将来の見通しの立て方について説明してくれました。
【生徒の感想】 ① 将来の夢への到達方法について、山登り型、川下り型の二通りあり、それぞれの利点を生かしてこれからの進路を構成していこうと思った。また、プログラミングを後から始めてもIT関連の企業には入れると知ったが、なるべく早いうちから始めておこうと思った。 ② IT系の職について、近い距離感で話すことができ、イメージが広がった。質問をする時間が多かったため、お話から広がった疑問などをすぐ解消することができ、よりITや進路選択についての知識が広がった。自分自身の文理選択や進路選択に活かしたい。
福島県の小学校の教員である高橋みのりさん。お話ししている姿は小学校の先生らしい優しさに溢れていました。
【生徒の感想】 ① 小学校の先生は中学の先生や高校の先生と違って子供の面倒を見たり、クラスの授業をしたりなどとても大変そうだなと思いました。でも、土日にしっかり休みがあるのは意外だなと感じました。小学校の先生は子供たちに一から教えたりしないといけなくて毎日大変なんだろうけど、毎日子供たちの笑顔を見ながら仕事できるのはとても魅力的だなと感じました。 ② 私の母校の山都小学校だったので、とても親近感があり話を聞いていてとても楽しかったです。小学校時代を思い出す話もあり、私が興味のある子供との接し方や、どのような教育方針でやっているかなど、とても楽しく話を聞くことができました。将来どうなるかわかりませんが、今日の話を思い出して、視野を広げて言いたいです。
投資アナリストの畑悠希さん。金融や投資という中高生には縁遠いお話を身近なものとして解説してくれました。
【生徒の感想】 ① 学校の授業では習わないことが学べて楽しかったです。投資は難しいイメージがありましたが、お話を私たちのレベルに合わせて簡単にしてくださったのでかなり理解しやすく、新しい知識がつきました。また、自分の性格とやりたいことを照らし合わせて進路を決めるというのも勉強になりました。数学の大切さを感じたので、これから特に頑張ります。 ② 「効率の良いお金の稼ぎ方」を聞こうと思ったが、そんな方法などないと本職の方から言われて納得した。株式の仕組みは家庭科の授業などで学んではいたが、いざ実際に話を聞いてみると少し理解の浅い部分があったので高校などでも学んで行こうと思う。
二本松市役所で勤務されている吉成鴻佑さん。税務課ならではの税金に関する生生しい話も聞けたようです。
【生徒の感想】 ① 市役所職員の中でも税務課というあまりお話を聞くことがない方の講話を聴くことができとても貴重な時間となりました。公務員といっても、様々な仕事が存在し、そこがたのしさでもあり、大変な部分でもあると感じました。公務員の仕事とはどのようなものなのかを詳しく知りませんでしたが、今回の講話で具体的な内容を知ることができたので、自分の大学選び、職業選択の参考にしたいと思います。 ② 市役所の職員の方々はよりよい街を作っていくために、市民のために日々大変な仕事をしているということを知りました。市民にクレームを入れられたりすることもあるとお聞きしましたがその中でもありがとうと言ってもらえることをやりがいに頑張っているとお聞きして、魅力的な仕事だと感じました。
福島県警察に勤務する山口開さん。警察官のジャケットを着せてもらって話を聴く生徒もいました。
【生徒の感想】 ① 対人防護服が思ったより重かった。警察にはよくドラマで見る刑事だけではなく、地域課、生活安全課などがあることを知れた。地域課は、事故や刑事画担当する仕事も手伝っていることを知れた。そして、警察はドラマなどでよく見る何がなんでも捕まえてくる人たちじゃないと知って安心した。 ② 今までは、警察官さんの具体的な仕事内容や、持ち物、大学、警察学校などの詳しい部分については全く知らなかったので、いつも私たちの街を守ってくれる警察官の方々のことを知れて、とても勉強になりました。すごく楽しかったので、またお話を聞けたら嬉しいです。
NPO法人で子どもの教育問題に取り組んでいる白河栄さん。教育問題は学校だけでは解決できないことを思い知らされました。
【生徒の感想】 ① もともと社会課題を解決する、NPOやNGOに興味を持っていたので、この講話を聞いてより興味が湧いた。また、前まで参加していた学外探究活動を主催しているNPOに勤めてみたいと思う後押しになったと思う。お金を稼ぐのだけが大切ではなくて自分のやりたいこと、解決したいことに取り組めるような仕事につきたいと思った。また留学なども興味があるので大学生になってからでも参加してみたい ② 自分の興味関心を追求できるようなプログラムを見つけて参加しているのが私はほとんどできたことがないので、すごいというか、憧れを持った。大学を出てNPO法人に就いてからの活動でも、放課後ってこんなにもキラキラしたものだったんだ、と思えるような、本当に子供たちを楽しませ勉強ではなく経験として学ばせられるようなシステムができていて、こういう仕事もやってみたいと強く思った。学校という場を最大限に生かし、3つの間(時間・空間・仲間)を失いつつある小学生にとって絶好の場だと思う。自分が小学生の時にこのプログラムがあったら絶対に参加していたし、今後このような施設が全国に広がっていってほしいと感じた。また、白さんの話を聞いて、自分がいかに受け身であったかを痛感した。将来の夢以外の、大学や学校外での活動はほとんど親の勧めでやってきたので、白さんのように自ら進んで行動していく姿勢を自分もやりたいと思った。
大学院で臨床心理を学んでいる押部椰子さん。生徒の日常を臨床心理学的に説明してくれました。小さな感情の積み重ねが大切なんですね。
【生徒の感想】 ① 自分の将来を決めるには、今感じている小さな感情の積み重ねが大きな影響を及ぼす可能性があるのだと思った。大学までは進む想定をしていたが、今回初めて大学院に入学した方の話を聞けたためさらに将来の選択肢が広がったと思う。 ② 今回押部椰子さんの講話を聴いて目に見えない、正解がない心理について言及し、相手の方の心とうまく付き合っていくというところにすごく興味と魅力を感じました。自分が相手とどのような関係にあるのか、自分が今までどのような体験をしてきたのかによって相手にかけてあげる質問や寄り添う言葉などが変わったり、相手に合わせて変えたりするなど些細な言動で相手がどういう人なのかを心理的に見て知ることができたりとても深くて自分には未知な世界だなと感じました。学びの視野を広げることができ、椰子さんならではの貴重な体験談も聞くことができとても貴重な機会となりとても楽しかったです。
他にもたくさんの先輩たちがいらっしゃいました。続きは次の記事でご紹介します。