SSH 復興と廃炉について考える
福島第一原子力発電所の事故と復興について考える「復興と廃炉に係る研修」を、2年生サイエンス探究コースの生徒49名が受講しました。(2023/10/5)
東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故後における福島県の現状を伝えるために、生徒自身が正確な知識をもとに発信する力を育成することをねらいとしています。
研修の内容
①講師による事故と復興についてのプレゼンテーション(30分)
②グループワーク「質問を立てる」(10分)
③全体質疑応答(40分)
④振り返り(5分)
生徒たちは、経済産業省資源エネルギー庁の木野正登氏から、本日第2回目の放出となったALPS処理水についてや廃炉について話を聴きました。
その後、グループワークで木野氏の話を受けての質問を考え、全体質疑応答では生徒たち自身が知りたいことを質問しました。
受講した生徒の感想
・私は以前、処理水の海洋放出は安全と言いながらもなんとなく環境に悪そうで良いイメージを持っていなかったが、今回の講義を聞き、科学的にも安全で、福島の復興や環境への配慮など、様々なことを考えたうえでの判断だと知ることができた。処理水は少しずつ減らしていくことができるが、放射性物質を取り除くためのフィルターや溶けた核燃料などは保管し続けるしかなく、そのような部分も含めて今後の日本の原発について考えていかなければならないと感じた。また、風評被害を減らすために、今回学んだ正しい知識を伝えていきたい。
・今まで私は中国が日本からの海産物輸入を規制するというニュースを見て「ALPS処理水は日本政府が安全と言っているのに輸入規制するなんて」と憤っていた。しかし、今回の講義を聞いて自分がどれだけALPS処理水についての知識が曖昧だったかを知った。トリチウムの人体への影響や、処理水放出の頻度や量などを教えていただき、改めてALPS処理水が安全に配慮しながら慎重に放出されていることが分かった。こうして正しい知識を身につけることが復興への第一歩だと思う。
・これまで用語としてALPS処理水は知っていたが実際どのくらい毎日溜まっていて、どのくらいの量を放出するのかを詳しく聞くことができるとても貴重な機会だった。30年かけてゆっくりと何度かに分けて処理水を放出していくことがわかり、自分達の世代も無関係ではいられない大きな問題であるということに改めて気付かされた。
生徒たちは、正確な知識を正しく理解して情報を発信することが福島の復興につながることを学びました。